谷上山、行道山は、皿ヶ峰連峰県立自然公園に含まれるお山です。
障子山・階上山のある“奥の山”に対し、谷上山・行道山らの山並みは“前山”山塊と呼ばれます。
伊予断層に沿った直線的な山並みを形成しています。
大谷池と併せ、四国の自然100選。
えひめ森林浴88ヶ所51番、谷上山公園・えひめ森林公園。
谷上山周辺は、麓の大谷池はえひめ森林公園、展望台周辺は谷上山公園として整備されています。
えひめ森林公園は、大谷池のほとりに管理事務所、森林学習館が置かれています。
野鳥の森、きのこの森、昆虫の森、木漏れ日の森とゾーン分けされた杉、檜、赤松、コナラ、カシの森を遊歩道が結んでいます。
キャンプ場、フィールドアスレチック、研修室なども整備され、家族で訪れるにはもってこいの公園になっています。
山上の谷上山公園は、展望台からの道後平野、瀬戸内海を一望できる眺め最高な公園です。
大谷池から展望台にかけ、車道に沿って植えられた桜並木が見事で、春の花見時期は特に賑わいます。
展望台の他、グランドも整備されています。
園児・児童の遠足先としても伊予市市民のみならず、道後平野に暮らす人々に親しまれるお山です。
公園の第2展望台からの眺めがすばらしく、道後平野が一望です。
その展望台から南に見えるお山が谷上山山頂です。
天武天皇2年(674)、当時の国司であった越智有興が創建した谷上山慈悲院宝珠寺に下る山門の手前に登山口があります。
木々に囲まれた山頂には、田の神様・田神権現が祀られています。
その後ろの窪地は、夜光井(夜光の池)と呼ばれた池の跡です。
天暦6年(952)、伊予の沖を航行していた筑紫の太宰大弐を襲った大嵐を、夜光井の発した光が静めたという伝説があります。
お山から発した川が麓の田畑を潤したことから、田の神様→たのかみさま→たがみさん→谷上山となったとも云われます。
行道山は、ニョキニョキと林立したテレビ局の中継アンテナ鉄塔群が目印のお山です。
地図上では3つのアンテナがある東の峰に山名が載っています。
八代龍王神社跡の祠が祀られ、地デジ・アンテナがそびえる西の頂が行道山の山頂です。
三角点は西の頂から少し離れたピーク・水晶ヶ森に設置されています。
山裾一面はみかん畑に利用されています。
山頂まで車で訪れることもできますが、山道は対向車とすれ違える場所も少なく、カーブも多いので注意が必要です。
行道山からも見事なパノラマを楽しめます。
行道山には天狗が棲んでいて、御幸寺山の天狗と仲が良く、よく行き来していたという伝説があります。
両山を結ぶ線上、天狗が行き交うところは「天狗街道」と呼ばれています。
家を建てると天狗が下駄で蹴飛ばして通るから家を建ててはいけないと信じられていました。
昔は天狗の通り道に沿って幅100mほどは家が一軒も建ってなかったそうです。
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