天狗高原が位置する四国カルストは、愛媛県と高知県の県境にあります。
愛媛県久万高原町、西予市、高知県檮原町、津野町、仁淀川町と、多くの市町村に接します。
東西約25km、南北約3kmにまたがる広大なカルスト台地です。
秋吉台（山口県秋芳町）、平尾台（福岡県北九州市）と並ぶ日本三大カルストのひとつです。
四国カルスト県立自然公園に指定されています。

天狗の森は、東部の天狗高原に位置し、標高1484mは四国カルストでもっとも高い山です。
黒滝山は、天狗の森のすぐ東にあります。
二つのピークを有する天狗高原は、牧草地の拡がる大野ヶ原や五段高原とは違い、豊かな自然林に覆われた森となっています。

高原エリア内には様々な散策・登山・ハイキングコースが設定されています。
天狗の森、黒滝山を縦走する縦走コース、高度差がもっとも少ない横道コースなど。
それらを縦に結ぶ自然散策路、探鳥コース、野花コースなどなどがあります。
黒滝山山頂下から標高1100m付近にある天狗池へ至るシラカバコースは、せせらぎと緑に包まれたもっとも潤うお勧めコースです。
コース全体は、全国で38ヶ所ある“森林セラピー基地”、“天狗高原セラピーロード”に認定されています。

登山道を歩けば、カルスト台地らしく、雨で浸食された石灰岩が点在しています。
ハンカイソウなどの高山植物が群生し、貴重な石灰岩植物、ヒメユリやヤマシャクヤク､リンドウが見られます。
黒滝山から大引割への道中には、百本近く立ち並んだヒメシャラの並木があります。
シラカバやアカマツの自然林、ブナ、トチ、ケヤキの大木も群生しています。

黒滝山山頂は木木に覆われていますが、天狗の森、瀬戸見の森は眺望抜群。
高知県側の山並みを一望することができます。

黒滝山から東へ進むと天然記念物の名勝、大引割・小引割があります。
有史以前に形成された大小の巨大な亀裂が埋没することなく、現存しています。
大引割は延長80m、深さ30m、幅3～8mもの規模があります。