皿ヶ嶺へ行こう!
冬 '09
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竜神平~山頂~竜神平
距離 約900m
標高差 約130m
距離 約900m
林道
徒歩
下記写真の場所

今回は山頂周遊コースを時計回りに、竜神平小屋の南から登ります。
雪にしっかり踏み跡がついてるので迷うこともありません。



畑野川との分岐。
さすがにこの季節に畑野川から登り下りする人はいないようで、
足跡はありませんでした。

道標が指す「皿ヶ嶺」の方へ。



肩幅ほどの踏み跡。
踏み跡の横の穴はストックが刺さった跡。

秘密基地みたいに見える陣ヶ森の中継施設。
奥のお山は前々司。

葉の多い針葉樹は凍って積もって、
クリスマスツリー状態。

踏み跡の外へストックを刺したら、
1mくらい、楽に刺さりました。

登るほどに木立が濃くなります。

頭上もモノクロ。

1200mを越え、垂れた枝は-

見事に雪がまみれて、重たそう。



1mほどの段差がある場所は、
いつの間にかロープがありました。

ロープの玉をつかんで登ります。
楽楽安全。

雪も深くなりました。



稜線が近づいてきました。
人工林からブナへ、森のあるじが変わっても、
みんな等しく春までお休み中。

谷間のクロス。

降りてきた背中を見送って。

標高1250m付近はなにもかも雪化粧していて寒々しい。

まるで白い花が咲いたよう。

ブナは白い衣をまとい-

誰かの落とし物は凍ってました。



訪問当日は珍しく無風で、
山頂目前の森は午後をずっと過ぎても樹氷がこびりついたまま。

白い華の向こう-



皿ヶ嶺山頂に到着です!
左の広場が山頂で、
右へ下る道が三角点方面、山頂周遊コースの続き。

「←引地山 竜神平→」
「引地山」の上にマジックで「←十字峠」。
引地山への案内は十字峠からでも間に合うかな。

竜神平-山頂間は2コースがあり、ぐるっと周遊もできるので、
「十字峠経由竜神平」も追加して、周遊路を楽しいで欲しい。

到着した時、山頂は無人でした。
荷物を下ろした頃、久万から、十字峠から登山者が来られ、
殺風景だった景色がひととき、うるおいを取り戻しました。

「皿ヶ嶺頂上 千二百米」
でも、ホントは1280m。

気温は3度。
じっとしてるとどんどん体温が奪われます。

こちらは久万からの登山道。
こちらから登ってこられたご夫婦が、
途中、1mくらいの雪が積もっていて、
ラッセルして来たのは初めてだったと、
楽しかった風にお話しされました。

久万側(南)のパノラマ。
集落や道路、山間の棚田が白く染まっています。
人が切り拓いた場所を神様がマーキングしたみたい。
午後2時をまわり、灰色の雲が空を覆ってしまい、
美川の大川嶺もかすかにしか見えなくなりました。

熱いお茶を飲んでも体が冷えていくので、
名残惜しいけど重い腰を上げ、下山開始。
帰りは十字峠方面へ歩き出しました。



緩やかに下って行きます。

稜線上の樹氷は特に発達しています。

踏み跡とスノーシューの足跡。



山頂から数分で三角点がある場所に着きます。
登山道の右側(東)に-

三角点と山頂を間違えちゃってる山頂標と-

雪に埋もれた三角点。

「行長」二等三角点。
標高は、1270.50mです。

雪の華を堪能した後-

凍てついた木の近くから登山道に別れを告げ-

森の中へ分け入りました。
雪が積もった真冬に、スノーシューだからこそ楽しめる、竜神平への直降りルート。



静かに積もった雪の深さは1mくらい。
スノーシューでさえ、30cmは沈みます。
スノーシューやかんじきがないと、自由に歩けません。
体力奪われ、日が暮れて… (>_<)
冬山で遭難するのも分かります。

森の斜度はこれくらい。
緩やかに見えても、引き返そうとすると、
雪が足を引っ張るので、ルート選びは慎重に。



綿雪をかぶって眠る倒木。

竜神平~山頂を結ぶ二つの登山道のほかに、
まっすぐ降りる登山道が昔は存在していました。
いまは通る人もなく、
木立やササに覆われ、森に還ってしまいました。
そんなルートをたどります。

触ればすぐに壊れてしまいそうな-

雪と氷の芸術作品。

東下がりの斜面を素直に下ると竜神平から離れちゃいます。
時々、北へ向かって歩き、
北東に位置する竜神平小屋へ通じる尾根から、
外れないように気をつけます。



木と木の間が広い場所を見つけて歩きます。
なぜなら、木に触れた途端、
枝に積もった雪がどかっと落ちてくるからです。

動くものひとつない、時が止まったような世界でも-

野ウサギは我が物顔のようで、
足跡がたくさん見つかります。

人とウサギの足跡くらべ。



何度か方向を修正しつつ、足が棒になりかけた頃、
竜神平のシルエットが見えてきました。



竜神平小屋を間近に見下ろせる高台に到着。
10mを優に超える大きなブナが、
まるで教会の天井を支えるアーチ構造の柱のようにそびえていました。
しばらく見とれてしまいました。

根もとに、ちいさなうろ。
今日はお留守みたい。

午後2時半。
冬の竜神平はすでに人影が絶えていました。

竜神平小屋の後ろ姿。

水場を左下に見ながら降りました。



水場にいるイモリたちにご挨拶。

無人の竜神平小屋。

ひとりごと

よせばいいのに、スノーシューを履いたまま、山頂へ。
肩幅もない踏み跡はスノーシューには狭く、深くて、余計に疲れる結果になりました。

登山道の景色は登るほどにどんどんと凍てついてゆきました。
雪の量も少しずつ増えて、踏み跡から外れると、ストックがまるで際限なく刺さってくくらい、深いところもありました。
当日は珍しく終日無風。
雪を溶かす太陽も昼間にちょっと顔をのぞかせただけ。
樹氷が溶けも壊れもせず、美しい結晶を見せてくれていました。

途中、すれ違ったのは5人だけ。
樹氷は大抵、午前中だけの命だから、お昼には下山する予定で登ってこられる方が多いです。
車で風穴まで来られたら、僕もとっくに下山開始してるんだけど。

でも、独り占めってのもいいもんです。
ぼーっと見てても急かされないし、好きなだけ写真も撮ってられる。
寒いけど。

山頂について間もなく、久万方面からご夫婦が登ってこられました。
国道33号線沿いの久万スキー場入口から歩いて、六部堂越えから山頂まで。
途中、例年になく雪が深く、ラッセル状態で難儀し、3時間ほどかかったそうです。
あの登山道は南向きの斜面にあるから、雪解けが早いんだけどね。
ここ数日、溶ける間もなく、おまけに吹きだまって深くなってたんでしょう。
でも、山頂からラッセルして下ってきた登山者が一人いたらしい。
彼とすれ違ってからは、彼のラッセルのおかげで少し楽に登れたとのこと。
その彼も、夫婦が付けたラッセルで楽に下れたことでしょう。

山頂でも風がなかったので、比較的、過ごしやすかったです。
でも、気温3度じゃ、熱いお茶飲んでも背中の汗が冷えて出て行く熱量の方が大きい。
気がつくと、膝から下が貧乏揺すり。
山頂で出会ったみなさんに別れの挨拶をして下山しました。

三角点を過ぎたところから右へ道を外れ、森の中を下りました。
折角、我慢してスノーシュー履いてきたので、誰かが歩いた跡ばかり歩いてちゃもったいない。
夏ならササがびっしり生えてて歩くのも困難な森の中をしずしず、気持ちはルンルン、下りました。

道を外れた瞬間から大自然。
野ウサギ以外の足跡は一切なし。

ハンディGPSに竜神平の場所をインプットしてたので迷う心配はありません。
GPSがなくても、右も左も上も下も、竜神平と山頂を結ぶ登山道に囲まれてます。
よっぽどくるくる迷走したり、登山道を踏み越えない限り、迷う心配はありません。
でも、雪は深く、スノーシューやかんじきがないと、ずぼずぼと雪にハマります。
疲れた割に進めないし、谷の吹きだまりは体がすっぽり埋まるほど、身動き取れなくなる恐れがあります。
冬山ではそれなりの装備しないと、命取り。

実はもっと早く山頂に着けたら、引地山の方まで行くつもりでした。
なんなら久万スキー場のゲレンデに降りて、ジュースでも買って戻ろうかとも思っていました。
面白嶽の迂回路とスキー場施設は50mと離れてなかったりするからです。
でも、予定より遅くなってしまったのでやめました。
次回のスノーシュー散歩のお楽しみにとっておくことにしました。

森の中には地図にない起伏、谷や支尾根が結構ありました。
竜神平までまっすぐ下れると思ってたら、地形通りに下っていたら東に大きく流されてしまうことが判明。
方向修正するのが簡単なうちに、少しずつ、北へ北へ、斜行。

小さな崖の横を降りたら、ブナが巨人みたいに並んでる空間へ。
そして、竜神平小屋の裏に無事、たどり着くことができました。

竜神平にはもう誰もいなくて、淋しいほど静まりかえってました。
時折、野鳥がさえずって、早く帰れと鳴いてるようで、休憩もそこそこに立ち上がりました。

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